カカオバターとは?普通のバターとの違いや料理・スイーツへの活用を解説

カカオバターとは?普通のバターとの違いや料理・スイーツへの活用を解説

「カカオバター」と聞くと、チョコレートを作るための原料というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、カカオバターはチョコレートだけでなく、料理や焼き菓子、デザート、ヴィーガンメニューなどにも活用できる植物性油脂です。

白く美しい色合い、カカオ由来の香り、温度によって固体と液体を行き来する性質、そして口に入れると体温で溶けていく独特の口どけ。こうした特徴が、カカオバターならではの魅力を生み出しています。

この記事では、カカオバターと一般的なバターの違いをはじめ、料理やスイーツへの使い方、海外のレストランやパティスリーでの活用例、ヴィーガン商品開発における可能性まで紹介します。

この記事でわかること

  • カカオバターとは何か
  • 普通のバターとの違い
  • 白い色とカカオ由来の香りの特徴
  • 温度によって変化する性質と口どけ
  • 料理・スイーツへの活用方法
  • 海外のレストラン・パティスリーでの使用例
  • ヴィーガン商品開発で活用するポイント

カカオバターとは?

カカオバターとは、カカオ豆に含まれる脂肪分を取り出した植物性の油脂です。カカオ豆を発酵・乾燥・焙煎し、カカオニブなどに加工した後、カカオのペーストから油脂を圧搾することで得られます。

「バター」という名前が付いていますが、一般的な乳製品のバターとは原料が異なります。カカオ豆という植物由来の原料から作られているため、カカオバターそのものは乳製品ではありません。

チョコレートでは、カカオバターがなめらかな口どけや艶、固まったときの形を作る重要な役割を担っています。カカオバターの品質や性質は、チョコレートの食感にも大きく関係します。

カカオバターと普通のバターの違い

カカオバターと一般的なバターは、どちらも食品にコクや油脂感を与えますが、原料も性質も異なります。

比較項目 カカオバター 一般的なバター
原料 カカオ豆 牛乳など
種類 植物性油脂 乳脂肪を主成分とする食品
白〜淡いクリーム色 黄色〜淡い黄色
香り カカオ由来の香り 乳製品由来の香り
特徴的な口どけ 体温付近で溶けやすい 温度によって柔らかくなる
ヴィーガン 植物由来 乳製品のため不可

特に大きな違いは、カカオバターが植物由来であることと、温度変化によって独特の口どけを生み出すことです。

白く美しいカカオバターの魅力

カカオバターの見た目は、白〜淡いクリーム色。カカオ豆から作られるにもかかわらず、カカオパウダーのような茶色ではありません。

この色合いは、ホワイトチョコレートやボンボンショコラ、デザートのコーティングなど、色を生かした商品開発に向いています。

また、カカオバターにはカカオ由来の香りがあります。製品によって香りの強さには違いがありますが、チョコレートやカカオを使ったスイーツとは特に相性が良く、ナッツやバニラ、柑橘、コーヒーなどの香りとも組み合わせやすい素材です。

体温で溶ける?カカオバターの温度特性

カカオバターのもうひとつの大きな特徴が、温度に敏感なことです。

常温では固体ですが、温度が上がると徐々に溶けて液体になります。そして口の中では体温によって溶けていくため、チョコレートを食べたときの「すっと消えるような口どけ」につながります。

この性質は、チョコレートだけでなく、ガナッシュやボンボン、デザートのコーティングなどにも生かされています。

一方で、料理や製菓に使用する際には温度管理が重要です。加熱して溶かした後、冷却することで再び固まるため、目的に応じて状態をコントロールする必要があります。

カカオバターは料理にも使える

カカオバターは、チョコレートやお菓子だけに使う素材ではありません。植物由来の油脂として、料理のソースやピューレなどにも応用できます。

例えば野菜を使った料理では、カカオバターをソースやピューレに加えることで、油脂によるコクや滑らかな質感をプラスできます。

カカオの香りを生かしたい場合は、野菜やキノコ、ナッツ、スパイスなどと組み合わせることで、甘いスイーツとは異なるカカオの楽しみ方もできます。

海外レストランでもカカオバターを料理に活用

ニューヨーク「Gotham」のヴィーガン料理

ニューヨークのレストラン「Gotham」では、セロリアックを主役にしたヴィーガン料理に、カカオバターを使ったヴィーガン・ボルドレーズソースを合わせた事例が紹介されています。

ここで興味深いのは、カカオバターを甘いデザートではなく、野菜料理のソースに利用していることです。カカオバターの油脂としての機能を生かせば、料理にも応用できることがわかります。

ヴィーガンボンボンにもカカオバター

イギリス・ロンドンのLe Cordon Bleuでは、ヴィーガンボンボンのデモンストレーションで、ガナッシュの脂質としてカカオバターを活用した事例が紹介されています。

乳製品を使わないガナッシュでは、植物由来の素材を組み合わせながら、なめらかな質感やコクを作ることが重要です。カカオバターは、そのための油脂として利用できます。

ヴィーガンチョコレートやボンボンなどを開発する際、カカオバターは「植物性でありながら、リッチな食感を目指せる素材」という点で魅力があります。

星付きレストランのデザートにも使われるカカオバター

イタリア・ピエモンテの「Villa Crespi」では、シェフAntonino Cannavacciuoloによるデザートで、色付けしたカカオバターをグレーズに使用した事例が紹介されています。

カカオバターは、固まる性質を利用してデザートの表面をコーティングすることができます。味や食感だけでなく、商品の見た目を演出する素材としても活用できるのです。

こうした使い方は、レストランだけでなく、パティスリーやカフェの商品開発にも応用できます。

ヴィーガン料理・植物性スイーツとの相性

カカオバターがヴィーガン料理で注目される理由のひとつが、植物由来の油脂であることです。

一般的なバターは乳製品ですが、カカオバターはカカオ豆から作られます。そのため、乳製品を使わずに油脂感やコク、なめらかな食感を加えたい商品に活用できます。

具体的には、次のような商品が考えられます。

  • ヴィーガンチョコレート
  • 植物性ガナッシュ
  • ヴィーガンボンボンショコラ
  • 植物性アイスクリーム
  • ヴィーガン焼き菓子
  • 植物性クリーム
  • ヴィーガンデザート
  • 野菜料理のソースやピューレ

特に、乳製品を使わずに「濃厚さ」や「なめらかさ」を表現したい場合、カカオバターは検討したい原料のひとつです。

普通のバターをカカオバターに置き換えられる?

ヴィーガン料理や植物性スイーツを開発する際に気になるのが、「バターをカカオバターに置き換えられるのか」という点です。

カカオバターは植物性油脂なので、バターの代替として利用できるケースがあります。ただし、両者は同じものではありません。

一般的なバターには乳脂肪だけでなく水分や乳由来の成分が含まれています。一方、カカオバターは基本的に油脂そのものです。そのため、レシピのバターを同量のカカオバターに置き換えるだけでは、食感や焼き上がりが変わる可能性があります。

商品開発では、カカオバター単体で置き換えるのではなく、植物性ミルクやナッツ、その他の植物性素材などと組み合わせながら、目的に合わせて配合を調整することが重要です。

カカオバターを選ぶときのポイント

食品用の原料を選ぶ

カカオバターには食品用途以外の製品もあるため、料理や製菓に使用する場合は、食品用として販売されている原料を選びましょう。

香りの強さを確認する

カカオバターは製品によって香りの印象が異なります。カカオの香りを商品特徴として生かしたいのか、他の素材を邪魔しない油脂として使いたいのかによって選択肢が変わります。

形状と扱いやすさを見る

ブロック、フレーク、ペレットなどさまざまな形状があります。業務用では、計量しやすいか、溶かしやすいかといった扱いやすさも重要です。

原料となるカカオの背景を確認する

カカオバターはカカオ豆から作られるため、原料となるカカオの産地や品質も商品開発のストーリーにつながります。

単に「植物性油脂」として扱うのではなく、「カカオから生まれた油脂」という背景まで伝えることで、商品に独自性を持たせることもできます。

カカオバターは商品開発の可能性を広げる素材

カカオバターの魅力は、チョコレートの口どけを作るだけではありません。

白く美しい色、カカオ由来の香り、温度によって変化する性質、体温付近で溶ける口どけ。そして植物由来の油脂であること。これらの特徴を組み合わせることで、料理からスイーツまで幅広い商品開発に活用できます。

実際に海外では、ニューヨークのレストランでヴィーガンソースに、Le Cordon Bleu Londonでヴィーガンボンボンのガナッシュに、イタリアの星付きレストランではデザートのグレーズに使われています。

こうした事例からも、カカオバターは「チョコレートを作るためだけの原料」ではなく、料理人やパティシエが新しい表現を生み出すための素材として考えることができます。

まとめ|カカオバターを料理とスイーツに取り入れてみよう

カカオバターは、カカオ豆から生まれる植物性油脂です。

一般的なバターとは原料が異なり、白〜淡いクリーム色の見た目とカカオ由来の香りを持っています。また、温度に敏感で、口の中では体温によって溶けていくため、チョコレートならではのなめらかな口どけにもつながります。

用途もチョコレートだけに限りません。焼き菓子やガナッシュ、アイスクリーム、ボンボン、デザートのグレーズに加え、ソースやピューレなど料理への応用も可能です。

さらに、植物由来の油脂という特徴から、ヴィーガン料理や乳製品を使わないスイーツの商品開発にも活用できます。

カカオバターを「チョコレートの原料」としてだけではなく、「カカオから生まれた植物性素材」と捉えることで、カフェやレストラン、パティスリー、食品メーカーの商品開発にも新しい可能性が生まれます。

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