チョコレートというと、これまでは洋菓子店やパティスリー、ショコラトリーなど、食品を専門に扱うブランドの商品というイメージが一般的でした。しかし現在では、食品業界だけでなく、ホテル、カフェ、酒類ブランド、コーヒーブランド、アパレル、ジュエリー、観光施設、ライフスタイルブランドなど、さまざまな異業種の企業がオリジナルチョコレートを企画できるようになっています。
なぜ、チョコレートが異業種ブランドの商品として注目されるのでしょうか。
その理由の一つは、チョコレートが単なる「食べ物」ではなく、ブランドの世界観や価値を、味や香り、デザインを通して伝えられる商品だからです。
特に高級チョコレートOEMでは、カカオの選定だけでなく、発酵や焙煎、レシピ、形状、パッケージまでこだわることで、ブランド独自のストーリーを一つの商品に込めることができます。
自社の商品やサービスとは異なる形で顧客と接点をつくり、ブランドの魅力を新しい角度から伝えられること。それが、異業種ブランドが高級チョコレートOEMに取り組む理由の一つです。
チョコレートはブランドの世界観を伝える商品になる
異業種ブランドがチョコレートを作る大きな理由の一つが、ブランドの世界観を「味」や「香り」という形で表現できることです。
例えば、コーヒーブランドであれば、コーヒーの香りと相性のよいカカオを組み合わせる。酒類ブランドであれば、日本酒やウイスキー、クラフトジンなどとのペアリングを考える。ホテルや観光ブランドであれば、その土地や滞在体験を思い出してもらえるようなショコラをつくる。
このように、チョコレートを既存ブランドから切り離された商品として考えるのではなく、ブランドを別の角度から体験してもらうための商品として設計することができます。
高級チョコレートOEMでは、この視点が商品企画の重要なポイントになります。
なぜ異業種ブランドと高級チョコレートは相性がよいのか
チョコレートには、視覚、嗅覚、味覚、触覚など、さまざまな感覚に訴えかける力があります。
パッケージを見たときの印象、箱を開けたときに広がるカカオの香り、口に入れた瞬間の味わい、舌の上で変化する口どけ、食べ終わった後に残る余韻。
一つの商品で、これだけ多くのブランド体験をつくることができます。
そのため、商品そのものだけでなく、「どんな時間を過ごしてほしいのか」「どんな印象を残したいのか」まで考えてチョコレートを設計することができます。
| ブランド | チョコレートで表現できる価値 |
|---|---|
| コーヒーブランド | 焙煎、香ばしさ、果実感、ペアリング |
| 酒類ブランド | 香り、余韻、熟成、夜の時間 |
| 化粧品・フレグランスブランド | 香り、美しさ、上質感、ギフト体験 |
| アパレル・ジュエリーブランド | デザイン、色、造形、ブランドイメージ |
| 観光・地域ブランド | 土地の記憶、地域性、旅の体験 |
| ライフスタイルブランド | 日常の豊かさ、特別感、上質な時間 |
高級チョコレートでは「カカオの品質」そのものがブランド価値になる
異業種ブランドがオリジナルチョコレートを作る際、パッケージや形状だけにこだわるのではなく、チョコレートそのものの品質にも目を向けることが重要です。
特に高級チョコレートでは、カカオ分の高さだけで品質を判断することはできません。
カカオ豆の品種や産地に加えて、収穫後の発酵、乾燥、焙煎、粉砕、精錬など、さまざまな工程が最終的な香りや味わいに関係します。
そのため、ブランドオリジナルのチョコレートを作るのであれば、完成したチョコレートだけを見るのではなく、「その香りや味わいがどこから生まれているのか」まで考えることが、商品の独自性につながります。
例えば、フルーティーな香りを活かしたいのか、ナッティで香ばしい風味を強調したいのか、花のような華やかさを表現したいのか。
目指す香りによって、カカオの選定や発酵、焙煎などの製造設計も変わってきます。
発酵から始まる、香り豊かなチョコレートづくり
カカオの香りを考えるうえで重要な工程の一つが「発酵」です。
カカオポッドから取り出したばかりのカカオ豆が、そのままチョコレートらしい豊かな香りを持っているわけではありません。発酵によってカカオ豆の内部にさまざまな変化が起こり、その後の乾燥や焙煎などの工程を経ることで、チョコレートの香りや風味につながっていきます。
さらに焙煎では、発酵によって生まれた香味のもとをどのように引き出すかを考えることができます。
そのため、発酵と焙煎を切り離して考えるのではなく、「どのような香りのチョコレートにしたいのか」から逆算して原料や製造工程を考えることが、高品質なチョコレートづくりにつながります。
発酵や焙煎にこだわって生まれた香り豊かなチョコレートは、単に「高級な食品」というだけではありません。ブランドが大切にしている品質への姿勢や、素材へのこだわりを伝える商品にもなります。
異業種ブランドがオリジナルチョコレートを作る場合にも、こうしたカカオそのものへのこだわりを商品価値として伝えることができます。
香り豊かなチョコレートは、ブランドの記憶をつくる
ブランド価値を考えるとき、「何を販売したか」だけでなく、「顧客の記憶に何が残ったか」という視点も重要です。
例えば、ブランドのイベントでチョコレートを手渡したとします。
パッケージを開けた瞬間にカカオの香りが広がり、口にすると果実を思わせる香りやナッティな余韻が広がる。その体験がブランドと結びつけば、チョコレートそのものがブランドを思い出すきっかけになります。
特に香りは、食べる前から感じることができ、味わった後にも余韻として残ります。
だからこそ、品質にこだわった香り豊かなチョコレートをつくることは、ブランドの商品価値や体験価値を高める一つの方法になります。
異業種ブランドだからこそできる「掛け合わせ」
異業種ブランドがチョコレートOEMを活用するもう一つの魅力が、自社ブランドが持っている素材や技術、文化、香りとの掛け合わせです。
コーヒーブランド×カカオ
コーヒーとチョコレートは、どちらも香りを楽しむ食品です。
コーヒーの焙煎香とカカオの香ばしさを合わせたり、フルーティーなコーヒーと果実感のあるカカオを組み合わせたりすることで、単なる「コーヒー味のチョコレート」とは異なるペアリングを考えることができます。
酒類ブランド×カカオ
ウイスキー、日本酒、ワイン、クラフトジンなど、香りや余韻を楽しむお酒とチョコレートも相性のよい組み合わせです。
ここで重要なのは、単純にお酒をチョコレートに加えることだけではありません。お酒が持つ香りやボタニカル、熟成によるニュアンスなどに着目し、それらと相性のよいカカオを組み合わせることで、酒類ブランドならではの新しいショコラ体験をつくることができます。
WHOSE CACAOでは、実際にクラフトジンを手がけるエシカル・スピリッツとの協業にも取り組んでいます。
エシカル・スピリッツとの協業では、クラフトジンの蒸留後にも残るボタニカルの香りに着目し、WHOSE CACAOが取り組む発酵カカオのチョコレートと組み合わせることで、新しい香りの体験を生み出しました。
カカオの発酵によって生まれる複雑な香りと、クラフトジンに由来するボタニカルの香りを組み合わせることで、一般的な「お酒入りチョコレート」とは異なる、香りそのものを楽しむ商品開発につながります。
これは、酒類ブランドとチョコレートブランドが、それぞれの専門性を持ち寄ることで生まれる商品開発の一例です。
例えばクラフトジンであれば、ジュニパーベリーや柑橘、ハーブなどのボタニカルが持つ香りと、カカオが持つフルーティー、フローラル、ナッティーなどの香りをどのように重ねるかによって、ブランド独自の商品を設計できます。
また、日本酒であれば米や麹、発酵による香り、ウイスキーであれば樽由来の香りや熟成香、ワインであれば果実や樽、酸味など、それぞれのお酒が持つ個性をチョコレートの香りや味わいと組み合わせることができます。
お酒をチョコレートに加えるだけではなく、「香り」「余韻」「素材」「製造背景」といったブランド固有の価値をカカオと掛け合わせることで、オリジナル性のある商品をつくることができます。
このような異業種との協業は、双方のブランドに新しい接点を生み出すことにもつながります。酒類ブランドにとってはチョコレートという新しい形で自社の香りを伝える機会となり、チョコレート側にとっても、クラフトジンなどが持つ独自の香りやストーリーを取り入れることで、新しい商品価値を生み出せます。
ファッション・ジュエリー×ショコラ
ファッションやジュエリーのブランドでは、チョコレートの形状や色、パッケージまで含めて世界観を表現できます。
宝石を思わせる造形や、ブランドを象徴するモチーフなどを取り入れれば、チョコレートそのものをブランドのアイコンとして見せることもできます。
見た目だけでなく、カカオの香りや口どけまでブランドコンセプトに合わせて設計すれば、視覚と味覚、嗅覚を組み合わせたブランド体験をつくることができます。
ライフスタイルブランド×高級チョコレート
家具、インテリア、香り、ウェルネスなどのライフスタイルブランドであれば、「日常の中の小さな贅沢」という切り口も考えられます。
チョコレートを単なる食品としてではなく、コーヒーやお茶とともに楽しむ時間まで含めて提案することで、ブランドが提供するライフスタイルを具体的に伝えることができます。
オリジナルチョコレートはブランドの「接点」を増やす
異業種ブランドにとって、オリジナルチョコレートは新しい販売商品になるだけではありません。
イベント、展示会、商談、店舗、EC、VIP向けギフト、周年記念、購入特典など、さまざまな場面でブランドと顧客をつなぐ接点として活用できます。
例えば、普段は商品を購入しない人にブランドを知ってもらうためのギフトとしてチョコレートを活用したり、既存顧客にブランドからの特別なメッセージを伝えたりすることもできます。
さらに、オリジナルの味や香り、造形、パッケージを組み合わせれば、他社では簡単に再現できないブランド独自の商品として展開することも可能です。
高級チョコレートOEMは「製造委託」だけではない
チョコレートOEMというと、完成したチョコレートを製造してもらうだけというイメージを持つかもしれません。
しかし、ブランド価値を高めることを目的とするなら、重要なのは「何を作るか」だけではありません。
- どのようなブランドなのか
- 誰に届けたいのか
- どのような香りを表現したいのか
- どのようなシーンで食べてもらうのか
- どのような印象を残したいのか
- どのような素材やストーリーを商品に込めるのか
こうした要素を整理しながら、カカオの選定、発酵、焙煎、配合、食感、形状、パッケージまで設計していくことが、ブランドオリジナルの高級チョコレートにつながります。
WHOSE CACAOでは、スペシャリティカカオを使用したチョコレートOEMについて、原料の選定、カカオの風味設計、試作、レシピ設計、製造まで、一つの商品を形にするための相談に対応しています。
チョコレートを通じて、ブランドの新しい価値をつくる
これからの高級チョコレートOEMでは、「どのようなチョコレートを作るか」だけでなく、「なぜそのブランドがチョコレートを作るのか」を考えることが重要です。
コーヒー、酒、ファッション、ジュエリー、観光、ライフスタイルなど、それぞれのブランドには独自の世界観があります。
そこに、カカオの産地や品種だけでなく、発酵や焙煎から丁寧に設計した香り豊かなチョコレートを組み合わせることで、ブランドの世界観を味覚や嗅覚を通して表現することができます。
高品質なカカオを使い、発酵から焙煎までこだわってつくったチョコレートは、それ自体が商品の魅力になるだけでなく、ブランドが大切にしている品質や美意識を伝える一つの手段にもなります。
さらに、自社が持つ素材や技術、香り、文化、ストーリーをカカオと組み合わせることで、既存の商品にはない新しいブランド体験を生み出すこともできます。
異業種ブランドにとってチョコレートOEMは、新しい食品をつくるためだけの仕組みではありません。
ブランドの世界観を「香り」と「味」に変え、顧客との新しい接点をつくる。
そのためのオリジナルチョコレートを、OEMという形で商品化することができます。