カカオマスとは?チョコレートの味を決める重要な原料の魅力を徹底解説

カカオマスとは?チョコレートの味を決める重要な原料の魅力を徹底解説

 

チョコレートを作るうえで欠かせない原料のひとつが「カカオマス」です。

チョコレートというと、砂糖やミルク、カカオバターなどを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、チョコレートの「カカオらしい香り」「ほろ苦さ」「コク」「余韻」を生み出す土台となっているのが、カカオ豆から作られるカカオマスです。

特に近年は、Bean to Barやクラフトチョコレートへの関心が高まり、カカオ豆の産地・発酵・焙煎などにこだわったチョコレートが注目されています。

そのため、チョコレートの商品開発を考える際には、完成したチョコレートだけを見るのではなく、その原料となるカカオマスについて知ることが重要です。

この記事でわかること

  • カカオマスとは何か
  • カカオ豆からカカオマスになるまでの工程
  • カカオニブ・カカオバターとの違い
  • 産地・発酵・焙煎による風味の違い
  • カカオマスを使った商品開発の可能性
  • チョコレート原料を卸で仕入れる際のポイント

カカオマスとは?

カカオマスとは、カカオ豆を加工して作られる、カカオ由来のペースト状の原料です。

カカオ豆を発酵・乾燥させた後、焙煎し、外皮などを取り除いてカカオニブにします。そのカカオニブを細かくすりつぶしていくと、カカオに含まれる油脂が溶け出し、なめらかなペースト状になります。

これが「カカオマス」です。

カカオ豆 → カカオニブ → カカオマス → チョコレート

カカオマスは、カカオ豆の風味を比較的ダイレクトに感じられる原料です。

チョコレートを作る際には、カカオマスに砂糖、カカオバター、乳成分などを組み合わせることで、それぞれ異なる味わいのチョコレートへと仕上げていきます。

カカオマスはどうやって作られる?

カカオマスの魅力を理解するためには、カカオ豆がどのように加工されるのかを知ることが大切です。

1.カカオの実からカカオ豆を取り出す

カカオは、カカオポッドと呼ばれる果実の中に種子が入っています。この種子と果肉を取り出したものが、一般的に「カカオ豆」と呼ばれているものです。

収穫したばかりのカカオ豆は、そのままではチョコレートらしい香りや味を持っていません。ここから発酵や乾燥といった工程を経ることで、チョコレートにつながる複雑な香りが形成されていきます。

2.発酵する

カカオ豆の加工において重要なのが発酵です。

発酵によってカカオ豆内部の成分が変化し、チョコレートらしい香りのもととなる成分が形成されていきます。

発酵方法や発酵期間などによって風味が変化するため、同じカカオという原料でも、産地や生産者によって異なる個性が生まれます。

3.乾燥・選別する

発酵を終えたカカオ豆は乾燥させ、水分を適切な状態に整えます。その後、異物や品質に問題のある豆などを取り除き、加工に適したカカオ豆を選別します。

4.焙煎する

次に行われるのが焙煎です。

焙煎は、カカオの香りや味わいを引き出す重要な工程です。焙煎条件によって、香ばしさが強くなったり、カカオの持つフルーティーな香りが際立ったりするなど、仕上がりの印象が変化します。

5.カカオニブにする

焙煎したカカオ豆を砕き、外皮などを取り除くと「カカオニブ」になります。

カカオニブは、カカオ豆の中身を食べやすい形にしたものです。そのまま食べることもできますし、焼き菓子やグラノーラ、アイスクリーム、飲料などにも活用できます。

6.すりつぶしてカカオマスへ

カカオニブを細かくすりつぶしていくと、カカオ豆に含まれる油脂が溶け出します。そして、固形分と油脂が一体となったペースト状の原料になります。

これがカカオマスです。つまりカカオマスは、カカオ豆の個性をチョコレートへつなぐ原料といえるでしょう。

カカオマスの魅力は「カカオの個性」を活かせること

カカオマスの大きな魅力は、カカオそのものが持つ風味を活かしやすいことです。

チョコレートの味は、砂糖や乳成分などの配合だけで決まるわけではありません。どのようなカカオ豆を使うのかという原料選びが、味わいの土台になります。

例えば、果実を思わせる酸味やフルーティーな香りを持つカカオ、ナッツのような香ばしさを感じるカカオ、スパイスや木質系の香りを感じるカカオなど、カカオにはさまざまな表情があります。

その個性を活かしたカカオマスを使用することで、チョコレートにも原料由来の特徴を表現できます。

カカオマスの味や香りは何で変わる?

カカオマスを選ぶ際には、単純にカカオ分だけを見るのではなく、原料となるカカオ豆の背景にも注目することが重要です。

産地

カカオは世界のさまざまな地域で生産されています。土壌や気候、生産方法などの違いによって、カカオ豆の風味にはそれぞれ個性があります。

そのため、「どこのカカオを使っているのか」は、カカオマスを選ぶ際の重要なポイントです。

発酵

発酵はカカオの香りを形成する重要な工程です。発酵の方法や状態によって、酸味や香り、コクなどの印象が変わることがあります。

焙煎

焙煎によって、カカオの香ばしさや風味の印象は変化します。

つまり、カカオマスの個性は「産地だけ」で決まるものではありません。

産地 × 発酵 × 焙煎

複数の要素が重なって、カカオマスの風味が生まれます。

カカオマスとカカオニブの違い

カカオマスとカカオニブは、どちらもカカオ豆から作られますが、状態と用途が異なります。

原料 特徴 主な活用
カカオニブ カカオ豆を砕いて外皮などを除いた粒状の原料 焼き菓子、グラノーラ、アイス、トッピングなど
カカオマス カカオニブをすりつぶしたペースト状の原料 チョコレート、ガナッシュ、焼き菓子、ドリンクなど

カカオニブは粒状なので食感を活かした商品開発に向いています。一方、カカオマスはチョコレートのベースとなる原料として使いやすく、カカオの風味をチョコレート全体に広げる役割を持ちます。

カカオマスとカカオバターの違い

カカオマスと混同されやすい原料に「カカオバター」があります。

カカオバターは、カカオ豆に含まれる油脂を取り出したものです。一方、カカオマスにはカカオ由来の固形分と油脂が含まれています。

そのため、カカオマスはカカオの風味をしっかり表現したい場合に重要な原料となり、カカオバターはチョコレートの口どけやテクスチャーなどを調整するうえで重要な役割を持っています。

カカオマスを使った商品開発の可能性

チョコレート

最も代表的なのがチョコレートです。カカオマスに砂糖やカカオバターなどを組み合わせることで、カカオ感の強いチョコレートから、甘さを重視した商品まで幅広く設計できます。

焼き菓子

カカオマスは、ブラウニーやガトーショコラなどの焼き菓子にも活用できます。カカオの風味をしっかり表現したい商品では、使用するカカオマスの選択が味わいに影響します。

ガナッシュ・クリーム

カカオマスは、ガナッシュやチョコレートクリームなどにも活用できます。チョコレートの風味をしっかり出したい商品では、カカオマスの選択が重要です。

ドリンク

ホットチョコレートやカカオドリンクなど、飲料への応用も考えられます。砂糖やミルクとの組み合わせによって、濃厚で満足感のある味わいを設計できます。

地域素材との組み合わせ

カカオマスの魅力を活かす方法として、地域素材との組み合わせもあります。

例えば、抹茶、柑橘、紅茶、コーヒー、ナッツ、スパイスなど、香りの特徴を持つ素材と組み合わせることで、新しいチョコレート商品を開発できます。

「カカオ分が高い=おいしい」とは限らない

カカオマスを選ぶ際に注意したいのが、「カカオ分が高ければ高いほど良い」という考え方です。

確かにカカオ分はチョコレートの味わいを考えるうえで重要な指標です。しかし、それだけで商品の魅力が決まるわけではありません。

例えば、フルーティーな香りを活かしたい商品と、濃厚でビターな味わいを目指す商品では、適したカカオマスが異なる可能性があります。

重要なのは「どんな商品を作りたいのか」を明確にしたうえで、その目的に合ったカカオマスを選ぶことです。

チョコレート原料を卸で仕入れるときのポイント

飲食店や菓子メーカー、食品ブランドなどがチョコレートを商品開発に取り入れる場合、原料の調達方法も重要になります。

特に業務用としてカカオマスを仕入れる場合は、価格だけでなく、以下のような点を確認するとよいでしょう。

1.産地やカカオ豆の情報

どこのカカオ豆を使用しているのか、どのような特徴を持つカカオなのかを確認しましょう。商品に産地のストーリーを取り入れたい場合には、原料情報の充実度も重要です。

2.品質の安定性

食品の商品開発では、毎回同じような品質の原料を安定して仕入れられることが重要です。販売数量が増えた場合にも供給できるか確認しておくと安心です。

3.必要なロット

商品開発の初期段階では、それほど大量の原料を必要としないケースもあります。そのため、必要な数量に合わせて仕入れられるか、小ロットに対応できるかも重要なポイントです。

4.味や香り

可能であれば、実際に試食・試作してから判断することをおすすめします。同じ「カカオマス」でも、産地や加工方法によって味わいは異なります。

5.商品開発との相性

最終的に重要なのは、その原料が作りたい商品に合っているかどうかです。チョコレート、焼き菓子、ドリンクなど、用途によって求められる特徴は変わります。

カカオマスから考える、これからのチョコレート

チョコレートは、単に「甘いお菓子」ではありません。

その背景には、カカオを育てる生産者、発酵、乾燥、選別、焙煎、粉砕など、さまざまな工程があります。そして、それぞれの工程が最終的なチョコレートの味や香りにつながっています。

カカオマスを知ることは、チョコレートの味を知ることでもあります。

どの産地のカカオなのか。どのように発酵されたのか。どのように焙煎されたのか。どんな香りや味わいを持っているのか。

こうした情報を知ることで、チョコレートの商品開発はさらに奥深いものになります。

まとめ|カカオマスはチョコレートの個性を生み出す重要な原料

カカオマスは、カカオニブをすりつぶして作られる、チョコレートの重要な原料です。

その魅力は、カカオ豆が持つ風味をチョコレートに活かせることにあります。

カカオ豆 → カカオニブ → カカオマス → チョコレート

また、カカオマスの個性は、産地だけでなく、発酵や焙煎などさまざまな要素によって変化します。

だからこそ、チョコレートの原料を選ぶ際には、カカオ分や価格だけを見るのではなく、香りや味わい、産地、加工方法、供給体制などを総合的に考えることが大切です。

これからチョコレートの商品開発を始める方や、既存商品の品質をさらに高めたい方にとって、カカオマスはぜひ注目したい原料のひとつです。

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