チョコレートの商品開発というと、まず「どんな商品を作るか」を考えるかもしれません。しかし、本当に商品の個性を決めるのは、その前にある「どんなカカオ原料を使うか」です。
同じように見えるチョコレートでも、使うカカオの産地、品種、発酵、乾燥、焙煎によって、香りや酸味、苦味、余韻は大きく変わります。そして、その違いを考えるうえで興味深い原料がカカオニブです。
カカオニブは、カカオ豆を焙煎し、外皮を取り除いて砕いたもの。いわば、チョコレートになる一歩手前のカカオ素材です。
商品開発の出発点を「チョコレート」ではなく、
「カカオニブ」から考える。
そこから始めると、これまでとは違った商品づくりが見えてきます。
01 / FROM CACAO TO PRODUCT
カカオ豆から商品になるまで
まず、チョコレートがどのように生まれるのかを簡単に見てみましょう。
カカオ豆
カカオの果実から取り出された種子がカカオ豆です。
しかし、収穫されたカカオ豆が、そのまま私たちが知っているチョコレートの香りを持っているわけではありません。
収穫後の発酵や乾燥、そして焙煎などの工程を経ることで、カカオ特有の香りや風味が形成されていきます。
つまり、「どこのカカオ豆なのか」だけでなく、「どのように発酵・乾燥され、どのように焙煎されたのか」までが、最終的な味わいに関係しています。
カカオニブ
カカオ豆を焙煎し、外皮を取り除いて砕いたものがカカオニブです。
ここには、チョコレートのような砂糖の甘さはありません。
カカオニブだからこそ感じやすいもの
- カカオそのものの香り
- ほろ苦さ
- 酸味
- 香ばしさ
- 発酵由来のニュアンス
- カカオニブ特有の食感
さらに、カカオニブには「カリッ」「ザクッ」とした独特の食感があります。
この香りと食感の両方を持っていることが、商品開発におけるカカオニブの大きな魅力です。
チョコレート
カカオニブをさらに細かく磨砕していくと、カカオに含まれる油脂によってペースト状になります。
そこに砂糖や乳製品などを組み合わせ、粒子を細かく整えることで、チョコレートへと変化していきます。
チョコレートの味は、チョコレートを作る段階だけで決まるわけではありません。
その前にあるカカオ豆、そしてカカオニブの段階ですでに、商品の方向性はかなり決まっています。
商品
最後に、チョコレートやカカオニブが実際の商品になります。
板チョコレートにするのか、焼き菓子に使うのか、アイスクリームにするのか、グラノーラにするのか、あるいは飲料にするのか。
同じカカオ原料でも、使い方によって表現できる魅力は変わります。
02 / WHY CACAO NIBS?
なぜカカオニブにこだわるのか
なぜチョコレートの商品開発でカカオニブに注目するのでしょうか。
大きな理由の一つが、カカオそのものの個性を確認しやすい素材だからです。産地の違うカカオニブを食べ比べてみると、同じ「カカオ」であっても、香りの印象が異なることがあります。
「甘いチョコレートを作る」から、
「このカカオが持っている香りを、どう商品に残すのか」へ。
03 / BEYOND CHOCOLATE
カカオニブは「チョコレートの材料」だけ
ではない
カカオニブについて考えるときに重要なのが、「カカオニブ=チョコレートに入れるもの」ではないということです。
カカオニブの活用例
- 焼き菓子:香ばしさと食感を加える
- グラノーラ:苦味とカカオの香りをアクセントにする
- アイスクリーム:なめらかさとカリッとした食感を組み合わせる
- ドリンク:コーヒー、茶、スパイス、果実などと組み合わせる
- 調味素材:シロップやビネガーなどに展開する
つまりカカオニブは、「チョコレートを作るための中間原料」であると同時に、
「カカオの香りと食感を商品に組み込むための素材」でもあります。
CASE STUDY
海外の有名レストランに見る
カカオニブの商品開発
CASE 01
ニューヨーク「Eleven Madison Park」
カカオニブの可能性を考えるうえで非常に興味深いのが、ニューヨークを代表するファインダイニング、Eleven Madison Parkです。
同店では、カカオニブを単純なチョコレートのトッピングとしてではなく、料理やデザートを構成する素材として活用した事例が紹介されています。
- カカオニブシロップ
- カカオニブビネガー
- カカオニブを使ったアイスクリーム
- コーヒーやモルトなどとの組み合わせ
特に面白いのは、カカオニブをシロップやビネガーという別の形に変えていることです。
これは、カカオニブを「味を足すための材料」ではなく、香りや酸味、食感を設計するための素材として捉える発想です。
「カカオニブを何に入れるか」ではなく、
「カカオニブから何を生み出せるか」。
CASE 02
東京「nib」に見るカカオの可能性
日本でも、カカオをチョコレートだけに限定せず、その素材としての可能性を探究する動きがあります。
東京・日本橋兜町にある「nib」は、カカオから生まれるさまざまな素材の可能性に着目し、デザートやドリンクとして表現するカカオのラボです。
「nib」という名称自体がカカオニブを意味していることからも、完成したチョコレートではなく、カカオそのものに立ち返る姿勢が伝わります。
カカオを中心にした飲み物、小菓子、デザートなどを組み合わせることで、カカオを一つの「食体験」として表現しています。
CASE 03
Whose cacao「カカオづくしのクッキー缶」
Whose cacaoでも、カカオを一つの素材として捉える商品開発を行っています。
「カカオづくしのクッキー缶」では、カカオマス、カカオニブ、ココアパウダー、カカオバターなど、カカオの異なる素材を使い分けています。
その中には「苺のカカオニブメレンゲ」や「カカオニブラングドシャ」など、カカオニブそのものの風味や食感を生かした商品もあります。
カカオ=チョコレート、ではない。
カカオニブから、新しい商品カテゴリーを考えることができる。
04 / INGREDIENT DESIGN
「何を入れるか」より「どんなカカオを使うか」
商品開発では、抹茶、柚子、ナッツ、コーヒー、果実など、どんな素材を組み合わせるかに目が向きます。もちろん、それらは重要です。
しかし、同じ副素材を使っていても、カカオが変われば商品の印象は変わります。
例えば……
- 柑橘系の香りを持つカカオ × 柚子・オレンジ
- ナッティーなカカオ × アーモンド・ヘーゼルナッツ
- 酸味のあるカカオ × ベリー・柑橘
「この素材を入れたい」ではなく、
「この素材の魅力を引き出すカカオは何か?」
05 / SELECTING CACAO
カカオニブを選ぶときに見るべきポイント
01|産地
カカオは産地によって風味の方向性が異なります。作りたい商品の味に合った原料を選ぶことが大切です。
02|発酵
発酵はカカオの風味を形成する重要な工程です。どのような発酵を経たカカオなのかを見ることも重要です。
03|焙煎
カカオニブは焙煎された原料だからこそ、焙煎条件も重要です。商品にしたときに、どの香りを残したいのかを考えます。
04|食感
カカオニブ独特の「カリッ」「ザクッ」とした食感も、商品価値として活用できます。
06 / PRODUCT IDEAS
カカオニブから考える商品開発
カカオニブを起点にすると、商品開発のアイデアは広がります。
重要なのは、最初から商品カテゴリーを決めすぎないことです。
「このカカオには、どんな商品が合うだろう?」
という順番で考えることで、既存商品にはない発想が生まれることがあります。
07 / WHOSE CACAO
Whose cacaoが考える
「原料からの商品開発」
Whose cacaoが大切にしているのは、カカオを単なる「チョコレートの原材料」として扱わないことです。
カカオ農園と作り手、そして生活者をつなぎ、カカオの産地や個性を生かしながら、その魅力を食の形にしていく。
その考え方は、完成したチョコレートだけを見るのではなく、カカオ豆、カカオニブという原料の段階から考えることにつながります。
誰が作ったカカオなのか。
どんな香りを持っているのか。
その香りを、どんな商品で伝えるのか。
カカオニブは、産地、発酵、焙煎、加工という背景を持った一つの素材です。そして、その素材を使う人のアイデアによって、新しい商品へ変わっていきます。
08 / CONCLUSION
原料を変えると、商品開発の発想が変わる
「チョコレートを使った新商品を作りたい」と考えると、どうしても既存のチョコレートを起点に発想しがちです。
しかし、カカオニブまで一度戻ってみると、見えるものが変わります。
カカオニブを食べてみる。
香りを確かめる。
産地の違いを比べる。
焙煎の違いを感じる。
そして、「この香りなら、何と合わせると面白いだろう?」と考える。
そこから商品開発を始めると、商品ありきではなく、素材の個性から商品を設計することができます。
それは、他社と同じようなチョコレートを作るのではなく、原料そのものを商品のストーリーにできるということでもあります。
原料が変われば、香りが変わる。
香りが変われば、商品が変わる。
商品が変われば、ブランドの価値も変わる。
それが、Whose cacaoが考える「原料から始める商品開発」です。
WHOSE CACAO / RAW MATERIAL
カカオニブから、
オリジナルの商品をつくる。
産地や風味にこだわったカカオ原料を使って、
新しい商品を開発してみませんか?
※原料のラインナップや販売条件は変更される場合があります。