海外の飲食店で注目されるカカオハスク活用事例|廃棄されてきたカカオ原料を価値あるメニューへ

海外の飲食店で注目されるカカオハスク活用事例|廃棄されてきたカカオ原料を価値あるメニューへ

チョコレートの原料として使われるカカオ豆。その製造工程では、チョコレートになる「カカオニブ」だけでなく、豆の外皮である「カカオハスク」も生まれます。これまでカカオハスクは、廃棄されたり、堆肥やマルチなどに利用されたりすることが多い素材でした。

しかし現在、海外のカフェやレストランでは、このカカオハスクを単なる副産物ではなく、料理やドリンクのための「香りの素材」として活用する動きが見られます。

特に注目したいのは、カカオハスクを使ったティー、デザート、カクテル、燻製、ソースなどへの展開です。

カカオハスクとは?チョコレート製造から生まれる「もう一つのカカオ原料」

カカオハスクとは、カカオ豆の外側を覆っている薄い皮の部分です。チョコレートを作る際には、カカオ豆を焙煎した後、豆を砕いて「カカオニブ」と「ハスク」を分離するウィノウイングという工程が行われます。

カカオニブはチョコレートの主要な原料となります。一方、ハスクはチョコレートの滑らかな食感をつくるうえでは取り除く必要があるため、これまでは食品として積極的に利用されないケースも少なくありませんでした。

ところが、カカオハスクにはカカオ豆由来の香りが残っています。焙煎されたハスクをお湯で抽出すると、チョコレートそのものとは異なる、軽やかで香ばしい風味を楽しむことができます。

ポイント

カカオハスクは、「チョコレートを作るためには取り除く部分」である一方、飲食店にとってはカカオの香りを料理やドリンクに取り入れるための素材になり得ます。

CASE 01

アメリカ・Providence|カカオハスクを食後のティーに

海外のカカオハスク活用事例として特に注目したいのが、アメリカ・ロサンゼルスのレストランProvidenceです。

Providenceでは、カカオ豆からチョコレートを自ら製造する取り組みの中で、カカオニブだけでなく、製造工程で生じるハスクまで活用しています。

ノーウェイストのチョコレートプログラムでは、カカオニブをデザートや菓子に、カカオ由来の副産物をベーカリーやソースに使い、さらにカカオハスクを食後のティーとして提供しています。

カカオハスクをミントと一緒に抽出した「ミント&カカオティー」として提供し、さらに抽出後のハスクとミントをレストランの屋上庭園のマルチとして活用するという循環も特徴です。

この事例のポイント

カカオハスクを「ティーにする」だけでなく、提供後の素材まで活用し、店舗全体のサステナブルなストーリーにつなげています。

CASE 02

Dandelion Chocolate|カカオハスクをパンナコッタの香りに

サンフランシスコを拠点とするDandelion Chocolateでは、カカオハスクを使ってクリームに香りを移し、パンナコッタに仕立てるメニューが開発されています。

ここで重要なのは、カカオハスクを「チョコレートの代わり」として使っているのではないことです。

ハスクから香りを抽出することで、チョコレートそのものとは異なる、より軽やかなカカオのニュアンスをデザートに加えています。

商品開発への応用

プリン、パンナコッタ、アイスクリーム、クリーム、ソースなど、乳製品を使ったデザートとの組み合わせが考えられます。

CASE 03

Dandelion Chocolate|カカオハスクを「燻製」の素材に

カカオハスクの活用は、ティーやデザートだけではありません。

Dandelion Chocolateでは、カカオハスクを燻製チップとして利用し、肉などにカカオ由来の香りを加える試みも行われています。

これは「カカオ=甘いもの」という一般的なイメージから離れ、カカオの香りを塩味の料理に取り入れるという発想です。

商品開発への応用

肉、魚、チーズ、野菜など、香ばしい風味と相性のよい食材との組み合わせが考えられます。

CASE 04

WastED|「廃棄される素材」をファインダイニングへ

2017年にロンドンで開催された「WastED」では、通常なら廃棄される食材や副産物に新しい価値を与えることをテーマとした料理が提供されました。

その中では、チョコレート製造の副産物であるカカオハスクと乳製品製造の副産物であるホエイを組み合わせたデザートも開発されています。

カカオハスクを抽出してホエイに風味を加え、ソルベや炭酸などと組み合わせることで、通常のチョコレートデザートとは異なる味わいをつくっています。

この事例のポイント

「廃棄される素材だから使う」のではなく、廃棄される素材だからこそ生まれる独特の風味を料理の個性として活用しています。

CASE 05

マレーシア|カカオハスクを牡蠣料理に

マレーシアのATAS Modern Malaysian Eateryに関連する食のイベントでは、カカオハスクティーを料理に組み込んだオイスター料理も紹介されています。

牡蠣にカカオハスクティーとカカオビネガーを組み合わせることで、カカオを甘いデザートではなく、魚介料理の風味を構成する素材として活用しています。

この事例のポイント

カカオハスクは「スイーツ専用の素材」ではなく、魚介、肉、野菜などの料理にも新しい香りを加えられる可能性があります。

海外事例に共通する「成功」のポイント

1.カカオハスクを「香りの素材」と考える

最も重要なのは、カカオハスクを単に「捨てる量を減らすための素材」と考えないことです。ティーにすれば香りのある飲料になり、クリームに抽出すればデザートの風味になり、燻製にすれば料理に香りをまとわせる素材になります。

2.「カカオ=甘い」というイメージから離れる

海外事例では、牡蠣、肉、チーズ、野菜などにもカカオハスクが使われています。カカオを甘い商品だけに限定しないことで、新しいメニューの可能性が広がります。

3.サステナビリティを「味」と一緒に伝える

「環境に良いから使う」だけではなく、「この香りを生み出すためにカカオハスクを使っている」という商品設計にすることが重要です。

日本のカフェ・レストランなら、どんなメニューにできる?

カカオハスクティー

ホット、アイス、ハーブブレンド、ソーダなど、ドリンクメニューに展開できます。

デザート

プリン、パンナコッタ、アイスクリーム、クリーム、ソースなどへの応用が考えられます。

ベーカリー・焼き菓子

抽出液やパウダーなど、商品に適した形でカカオの香りを取り入れる方法があります。

料理・ペアリング

燻製、ソース、ドレッシングなどに活用し、肉、魚、チーズ、野菜などと組み合わせられます。

カカオハスクを飲食店で使う際に注意したいこと

カカオハスクを食品として利用する場合、単に「カカオ豆の皮だから食べられる」と考えるのは適切ではありません。

Dandelion Chocolateでは、カカオハスクを食品に利用する際、重金属やアフラトキシン、微生物などについて検査を行い、原料ごとのリスクを確認しています。

原料選びで確認したいポイント
  • 原産地
  • 製造工程
  • 衛生管理
  • 検査体制
  • 食品用途としての取り扱い可否

まとめ|海外の成功事例が示す、カカオハスクの可能性

海外では、カカオハスクをティー、デザート、燻製、ソース、料理などに活用するさまざまな取り組みが行われています。

これらに共通するのは、カカオハスクを単なる「廃棄物の再利用」として扱っていないことです。

カカオハスクだからこそ生まれる香りや風味に価値を見出し、それを料理やドリンクの魅力として設計しています。

日本でも、カフェ、レストラン、ホテル、バー、ベーカリーなどで、カカオハスクを使った商品開発の可能性は広がっています。

特に、「カカオの香りを楽しむ」「食品ロスを減らす」「他店にはないメニューをつくる」「ブランドのストーリーを伝える」という複数の価値を一つの商品に組み込める点は、カカオハスクならではの魅力です。

カカオハスクを、商品開発の新しい素材に

WHOSE CACAOでは、カカオニブやカカオハスクなど、Bean to Barから生まれるカカオ原料を取り扱っています。

産地によって異なるカカオの香りを活かした商品開発や、カカオ原料を活用したメニューづくりを検討している方は、ぜひWHOSE CACAOのサイトをご覧ください。

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